28 DAYS LATER『28日後…』感想 | 荒削りでも熱い、感染パニックの原点

※この記事は、未視聴の方にも読んでいただけるよう、物語の核心には触れていません。すでに観た方には、共感や新たな視点をお届けできれば幸いです。

Basic Info 🎬

■ 監督 ダニー・ボイル
■ 脚本 アレックス・ガーランド
■ 出演 キリアン・マーフィー
ナオミ・ハリス
クリストファー・エクルストン
■ 音楽 ジョン・マーフィ
■ 公開年 2002年
■ 上映時間 114分
■ ジャンル ホラー/サバイバル/SF

Story Brief 📖

ある日、謎のウイルスが突如蔓延し、ロンドンは一夜にして崩壊した。

そして──

28日後、昏睡状態から目を覚ました青年ジムが見たのは、人の気配が消えた無人の街と、“感染者”たちが徘徊する悪夢のような世界だった。

数少ない生存者たちと出会い、共に逃避行を続ける中で、希望を信じて歩む彼らの前に立ちはだかるのは、ウイルスだけではなかった。

極限状態の中で、徐々に露わになる“人間の本性”──

果たしてジムたちは、生き延びることができるのか。

Trivia

  • 本作の無人シーンは、撮影のためにアルバイトを雇い、早朝に車を止めてもらって撮影された。当初は一般募集だったが、たまたま集まったアルバイトが女性ばかりで雰囲気が良く、ドライバーも快く待ってくれたことから、最終的にはモデルを中心に募集するようになったという。 出典:シネマトゥデイ
  • 本作に登場する“走る感染者”のアイデアは、脚本を手がけたアレックス・ガーランドがゲーム『バイオハザード』をプレイした際に着想を得たものだという。彼は「ゾンビはゆっくりだから怖くないが、すばしっこいゾンビ犬は厄介だ」と語っている。 出典:シネマトゥデイ
  • 2022年のインタビューで、脚本のアレックス・ガーランドは『28日後…』『28週後…』に続く新作は『28ヶ月後…』ではなく、「『28年後…』になるかもしれない」と笑いながら語っていた。この時点ですでに続編の企画が進んでいた可能性もある。 出典:シネマトゥデイ

For you or Not? 観るべき?観なくてもいい?その狭間にある一本🧟‍♂️

前から観たいと思っていた作品。なのにサブスクに全然無くて、そのままになっていた一本。

ところが、まさかの新作『28年後…』の公開を記念してか、ついにサブスクにやってきました😆

とは言っても2002年公開の作品。

当然、今観ると古さもあるし、荒さもある。

おそらく『28年後…』のために、わざわざ本作を観る必要はないでしょう。

でも──

この作品があったからこそ、今のゾンビ映画があるんだな、と実感できる一本。

“観たことがある”という記憶が、きっと新作の味わいを深めてくれるはずです。

First Impression  今だからこそ🎦

前述の通り、古い作品なので今観ると映像は荒い。そしてインディペンデント感も強く、どこか“昔の作品”といった雰囲気。

ただ──

本作が稀有なのは、その古さや荒さがSFホラーとしての“味”になっていること。

最近とくに感じるけれど、時代劇やホラー作品に“綺麗すぎる映像”は似合わない気がする。そういった意味で、このくらいの質感のほうが逆にリアリティがあって、ウイルス災害としての生々しさがある。

そして何より──

コロナ禍を経験した今となっては、ただのSFホラーとして笑って観られないという心境の変化もある。

やっぱり人間、追い詰められると……ね。

Highlights ゾンビ映画の転換点🧬

この作品の影響で、ゾンビ映画が“変わった”のは間違いないと思う。

走る感染者、ゴーストタウン化した都市、緊張感のあるサバイバル描写…。後の作品群に大きな影響を与えた革新性は、今観ても色褪せない🏃‍♂️‍➡️

特に『ウォーキング・デッド』や『ラスト・オブ・アス』といった、ポスト・アポカリプス作品を観てきた人なら、その“源流”を本作に感じるはず。

“感染者”が登場する作品は今でこそ溢れているが、当時としては画期的。

荒削りながらも、その“荒さ”が逆にリアリティを増幅させていて──

これは間違いなく、現代ゾンビの礎となった一作ではないだろうか?

Let’s Be Honest 終末世界の群像劇👦

ただ、新しい作品や綺麗な映像、最新技術のリアルなゾンビなどに見慣れた人には、少しキツい鑑賞になるかもしれない。

どうしても“古臭さ”は拭えない。おそらく今観ても楽しめる人、逆に古くて観られないという人、どちらもいるでしょう。でも、万人に受け入れられる作品なんて存在しないから、それもまた自然なこと。

ちなみに私はホラー作品は苦手なのであまり観ませんし、ゾンビもあまり好きではないのでそういう作品も少なめ。でも、今作は“怖くない”んです。ゾンビが主役ではないし、むしろ終末世界の群像劇という印象。

なぜ観ようと思ったのだろうか?🤔

やはり“名作”と言われる作品に触れたかったんだろうなぁ。

Takeaway 映像のインパクトと脚本の妙🫢

本作の魅力は、ただ“走るゾンビ”の恐怖だけではない──

後の多くの作品が、この映画のDNAを受け継いでいる。当時の限られたリソースでも、これだけのインパクトを残したのは本当にすごい。

人のいないロンドンのシーンなんかは、今観ても「どうやって撮った?」と思ってしまうほど衝撃的。あの静けさ、恐ろしさ──忘れられない。

そして今観ると、序盤に登場する動物愛護の活動家たちの行動が、世界崩壊のきっかけとなるという脚本も秀逸。正義のつもりが、見えていない被害を拡大させてしまう。日本でも他国でも、当事者や実害に目を向けず“正しさ”だけで行動してしまう例は少なくない。私自身も、気をつけようと感じた。

それにしてもキリアン・マーフィー、若いなぁ☺️

Final Note📝

『28日後…』
今観れば粗さもあるが、それでも時代を変えた一本の価値は色褪せない。

Trailer 公式予告💻

出典:ソニー・ピクチャーズ公式YouTubeチャンネル

Subscription 配信📺

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※ 配信情報(2025年9月時点)配信状況は変更される可能性があります。

年間300本ほど映画を観ています。 備忘録として、観たときの気持ちを飾らず素直に残しています。