※この記事は、未視聴の方にも読んでいただけるよう、物語の核心には触れていません。すでに観た方には、共感や新たな視点をお届けできれば幸いです。
Basic Info 🎬
■ 監督 | ジャスティン・カーゼル |
■ 脚本 | ザック・ベイリン |
■ 原作 |
『The Silent Brotherhood(1989)』 ケヴィン・フリン ゲイリー・ガーハート |
■ 出演 |
ジュード・ロウ ジャーニー・スモレット タイ・シェリダン ニコラス・ホルト |
■ 音楽 | ジェド・カーゼル |
■ 公開年 | 2024年 |
■ 上映時間 | 116分 |
■ ジャンル | クライム/スリラー/社会派 |
Story Brief 📖
アイダホ州の田舎町コー・ダリーンに引っ越してきたベテランFBI捜査官テリー・ハスク。
彼は、町の周辺で相次ぐ銀行強盗や殺人事件の背後に、白人至上主義団体
「アーリアン・ネーションズ」
アメリカの白人至上主義団体。
ナチズム思想を基盤とし1970年代から活動を続け、FBIからも監視対象とされている。
の関与を疑い、その創設者
リチャード・バトラー
アーリアン・ネーションズの創設者。
アメリカ国内における白人至上主義運動の象徴的存在の一人。
の調査を開始する。
一方、「アーリアン・ネーションズ」の合法的な活動に嫌気がさした
ボブ・マシューズ
1980年代に実在した過激派白人至上主義者。
「オーダー」を結成し、暴力革命を企てた中心人物。
は、志を同じくする仲間たちを集め、新たな白人至上主義団体
「オーダー」
実在の過激派グループ。
1980年代にアメリカで活動し、強盗・爆破・暗殺などを実行した。
を結成。
その思想と行動はより過激な方向へと傾いていく。
そしてテリーは、「アーリアン・ネーションズ」から分派した過激派グループ「オーダー」が進める、国家を揺るがす大規模なテロ計画の全貌に近づいていく──。
Trivia
- 監督のジャスティン・カーゼルは、出演者たちに「マニフェスト」と題した人物設定資料を配布。それぞれのキャラクターに対して、思想・動機・日常習慣に至るまで詳細な指示を与えていた。 出典:出典:DEADLINE(リンク先は英語記事)
- 実在のボブ・マシューズは、酒もタバコもやらず、食事も肉のみというストイックな生活をしていた。ニコラス・ホルトはその生活を丸ごと再現して役作りに臨んだ。 出典:Yahoo Entertainment(リンク先は英語記事)
For you or Not? 結構重め☔️
本作は、アメリカで実在した極右組織「オーダー」を描いた社会派スリラー。アクション映画っぽい雰囲気はあるものの、派手な爆破やカーチェイスはほぼありません。
人種差別・暴力・陰謀といった重く生々しいテーマに真正面から向き合っており、観る側にもそれなりの覚悟が求められます。ただ、単なるドキュメンタリー的再現ではなく、「一つの映画作品」としてしっかりと成立しており、物語としても十分に引き込まれる内容です。
しかし、
「もっとポップで爽快な作品が観たい❗️」
「とにかくド派手なアクションが観たい💥」
という方には、ちょっと合わないかもしれません。今日はちょっと重めの作品を観ようかな?って日にはオススメです。
実話ベースの政治サスペンスが好きな方、現代にも通じる問題提起に関心がある方には非常に刺さる一本。考えさせられる映画が好きな人には、ぜひ観てほしい作品です。
ちなみに、本作はアメリカなどではかなり高評価を得ていますが、日本では劇場未公開で知名度も高くないのが少し残念……🙍♂️
First Impression 息苦しい静けさ😨
映画なので100%が実話というわけではないにせよ、「こんな事件が本当にあったのか」と思うとやはり驚かされる。
ジュード・ロウは今までの出演作の中でも、最も抑制された、そして深みのある演技を見せていたんじゃないだろうか?
一方で、穏やかそうな雰囲気の裏に何かを隠しているようなニコラス・ホルトの存在感も絶妙。
派手さのない作品だからこそ、俳優陣の演技力がダイレクトに響いてくる。静かで淡々としているのに、どこか息苦しい――そんな“まとわりつくような感覚”が全編を包む作品。
一言では説明しづらいけれど、確かに胸に残る、重たく不穏な空気。それがとても印象的でした😰
Highlights いい意味で想像と違った😆
特にあらすじも読まず、予告も見ず、なんとなく気になって観た作品。そもそもジュード・ロウはそこまで好きな俳優さんではないのに、なぜ観ようと思ったのだろう?🤔
──まぁ、それは置いておいて。
観る前はもっと派手なアクション映画だと思っていた。おそらくポスターの印象から、そんなイメージを勝手に抱いていたのだと思う。でも、良い意味で予想と期待を裏切られた。
淡々と、静かに進んでいく物語。それなのに張りつめたような緊張感があって、不思議と心地よい。
監督のこだわりや、俳優陣の丁寧な役作り──私はあとから知ったのだけれど、確かに観ていて納得感があった。リアリティがあり、演技にも説得力があった。
やはり実話ベースの作品は、引き込まれるものがある。
Let’s Be Honest 完全にハマり役👍
正直に言うと、ニコラス・ホルトもあまり好きな俳優ではない。でも、やっぱり演技は上手い。あの“好青年っぽさ”と“内に秘めた狂信”のギャップを見事に演じていた。まさにこの役のために存在していたかのような配役。
おそらく実在したボブ・マシューズも、自分の行動を“正しいこと”だと信じていたのだろう。ホルトの演技からは、そうした信念と狂気が同居する危うさが滲み出ていた。
そして、前にも書いたけれど、ジュード・ロウも正直そこまで好きな俳優ではなかった。でも、今作の彼は完全にハマっていた。
静かな狂気と、内面の葛藤。それを抑制された演技の中で見事に表現していた。今まで観た中で、間違いなくベストパフォーマンス。
…だからといって、ジュード・ロウを好きになったわけではないけれども😅
Takeaway 忖度ありの評価🙇♂️
人種差別、宗教、LGBTQ+といったテーマは、私にとって強い関心のある分野。
そのため、本作のように社会問題を扱う作品は、どうしても「観てよかった」「知らなかったことを知ることができた」と思い、評価が高くなってしまいます。
まぁ当ブログは「評価をしない・点数をつけない」がモットーなので、数値では語りませんが──
私の記事を読んで「そんなに面白いか?」と思う方もいるかもしれません。
この作品には私の忖度が入っています。でも、知的好奇心を満たしてくれる作品に出会えるのは、本当に嬉しいこと。それが、私が映画やドラマを観る理由のひとつでもあるのです。
もちろん、娯楽作品としてただ楽しみたい日もありますし、意味不明な芸術的な作品に触れたいときもあります。
この作品は日本では劇場公開されず、あまり話題にもなっていません。もし社会問題を取り扱うような作品に興味がある人はぜひ観てほしい。
……それにしても、タイ・シェリダン、マイルズ・テラー、アンセル・エルゴート。マジで区別がつかないなぁ🤔
Final Note📝
『オーダー』
狂気と社会的テーマを描いた密やかな衝撃作。
Trailer 公式予告💻
出典:Amazon Prime Video UK & IE公式YouTubeチャンネル
Subscription 配信📺
※ 配信情報(2025年8月時点)配信状況は変更される可能性があります。