※この記事は、未視聴の方にも読んでいただけるよう、物語の核心には触れていません。すでに観た方には、共感や新たな視点をお届けできれば幸いです。
Basic Info 🎬
■ 監督 | ギンツ・ジルバロディス |
■ 脚本 |
ギンツ・ジルバロディス マティス・カジャ |
■ 音楽 |
ギンツ・ジルバロディス リハルド・ザイプペ |
■ 公開年 | 2024年 |
■ 上映時間 | 84分 |
■ ジャンル | アニメーション/ファンタジー/冒険 |
Story Brief 📖
言葉のない世界。
人類が消え去ったあとの地球で、動物たちだけが生き延びている。
登場するのは猫や鳥、そしてクジラ──彼らの目を通して描かれる、静かで美しい“何かの終わり”と“新たな始まり”。
セリフもナレーションも存在せず、ただ映像と音楽だけで語られるポストアポカリプス。
観る者の想像力にゆだねられた、感覚で味わうビジュアル叙事詩。
Trivia
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本作はBlenderという無料のCGソフトを使用して制作され、監督のギンツ・ジルバロディスはまずこのソフトの習得から始め、約5年の歳月をかけて本作を完成させた。
出典:CGWORLD.JP -
これまで個人制作だった監督は、今作で初めて予算のあるチームと仕事をし、その経験が物語にも活かされている。
出典(リンク先は英語記事):Borrowing Tape -
作中に登場する猫と犬は、監督自身が飼っていたペットをモデルにしている。
出典(リンク先は英語記事):Sloan Science & Film
For you or Not? インディペンデントを超えて🌈
昨今は2時間越え、3時間越えの大作映画も増えてきました。壮大なストーリーをじっくり描く作品も素晴らしいけれど、たまには少し短めの映画が観たくなる…そんな気持ちになることもありますよね😌
『Flow』はアニメーションであり、インディペンデント(=大手スタジオに属さない独立系)作品ということもあって、上映時間は90分ほど。内容もとても個性的で、セリフなし、ナレーションなし、人間すら登場しない──そんな構成になっています。
一見シンプルに見えますが、深く語られないぶん、想像や考察の余白がたっぷり。美しいビジュアルに浸りながら、心の中で物語を描いていくような、不思議な体験ができる作品でした。
First Impression さては実写なのでは?🫣
前述の通り、本作にはセリフが一切なく、人間も登場しません。動物たちだけが静かに、でも確かに物語を紡いでいきます。
なぜこの世界に人がいないのか、説明はありません。それでも不思議と状況が理解でき、登場する動物たちが喋るわけでもないのに、感情が伝わってくる──そんな体験ができます。
映像は驚くほど美しく、「これが本当にインディペンデント作品?😳」と目を疑うほど。特に森林の描写は一瞬、実写と見紛うレベルで、水の表現もたった2人で作り上げたとは思えない完成度。
登場する動物も、猫や犬といった身近な存在から、ヘビクイワシ(この作品で初めて知った)やメガネザルといった少しマニアックな動物まで幅広く、画面を見ているだけでも十分に楽しめる作品です。
Highlights あなたの解釈は?🦑
この作品の最大の魅力は、あえて説明をしないこと。
ポストアポカリプスな世界観の背景を語らないことで、観る側の想像力を存分に掻き立ててくれます。
ある人はノアの方舟を思い浮かべ、ある人はポールシフト(地軸の移動)を連想する。私なんて、太古の崩壊(後述)を勝手に妄想してしまいました。
映画には、ラストを観客に委ねるタイプや、決められた筋書きを追うタイプがありますが、本作はそのどちらでもなく、“想像や妄想を楽しむタイプ”の作品。
だからこそ、観る人によって物語の形がまったく変わるのが面白いところです。
映画は面白い──時には「私の時間を返してくれ😭‼️」と思うこともあるけれど、この作品はその真逆。見終わった後もしばらく、頭の中で物語が動き続ける一作でした。
Let’s Be Honest 完璧なものはない🫨
ただ、その美しさとは別に、アップになった物や動物たちには少し荒さ──というか独特な質感がありました。個人的には動物たちに関しては、動きがやや固く感じられる場面もあります。
これが予算や制作期間の影響なのか、それともあえて狙った表現なのかは分かりません。それを「味」と捉えるか「粗さ」と捉えるかで、印象は大きく変わるでしょう。
個人的には、おそらく意図的な表現なのでは…と思っています(確証はありませんが)。ただ動物を飼ったことがないので、この印象はあまり当てにならないかも💦
ちなみに、セリフがない分ストーリーは淡々と進む印象で、途中で少し眠気が…。寝不足の時に観るんじゃなかった😵
Takeaway 妄想=娯楽🏕️
この作品は人間の居なくなったポストアポカリプスの世界を描いていて、ポストアポカリプスと聞くと一般的には今私たちが生きる現代社会が滅んだ後の物語だと思いがち。
でも私としては、絶滅危惧種のヘビクイワシや印象的な登場をするクジラ。しかも私たちが知ってるビジュアルとは違うクジラ。そして徐々に上がっていく海抜。
私個人としては約4000万年前は海だったと言われているアフリカの世界遺産”ワディ・アル・ヒタン(クジラの谷)“を想像しました。
クジラの祖先と言われているバシロサウルスの化石があるクジラの谷。
もしも本作に登場したクジラがバシロサウルス(クジラの祖先らしい)だったら?🙃
もしもあの世界が約4000万年前の出来事を描いた作品だったら?🤨
現代ではなく、太古の文明の崩壊後を描いたものだったら?😳
なんてね〜☺️
セリフや説明がない分、私の妄想が爆発してしまいました🤯💥
Final Note📝
『Flow』
妄想で楽しさが何倍にも膨らむ傑作🐈⬛
Trailer 公式予告💻
出典:Janus Films公式YouTubeチャンネル
Subscription 配信📺
※ 配信情報(2025年8月時点)配信状況は変更される可能性があります。