CITY HUNTER『シティーハンター』(2024) 感想 | モッコリしてても男前

※この記事は、未視聴の方にも読んでいただけるよう、物語の核心には触れていません。すでに観た方には、共感や新たな視点をお届けできれば幸いです。

Basic Info 🎬

■ 監督 佐藤祐市
■ 脚本 三嶋龍朗
■ 原作 『シティーハンター』北条司
■ 出演 鈴木亮平
森田望智
安藤政信
華村あすか
■ 音楽 瀬川英史
■ 公開年 2024年
■ 上映時間 104分
■ ジャンル アクション/コメディ

Story Brief 📖

「シティーハンター」と呼ばれるスイーパー(始末屋)として新宿を拠点に活動する冴羽獠。相棒・槇村秀幸と共に、これまで数多くの表沙汰にできない事件を影から解決してきた。

ある日、彼らのもとにナツミと名乗る女性が現れ、「行方不明になった妹・くるみを探してほしい」と依頼を持ちかける。

捜索に乗り出した獠と槇村は、くるみの救出に向かうが、なぜかくるみは彼らからも逃げ続け、やがて再び姿を消してしまう。

やむなく一旦くるみの捜索を打ち切る二人。槇村は妹・香との待ち合わせ場所であるレストランに向かうが――

そこから、彼らの運命を大きく揺るがす出来事が幕を開ける。

Trivia

  • 2023年に公開された『バービー』の制作費は1億4500万ドルだったが、本作『シティーハンター』の“マーケティング予算”はそれを超える1億5000万ドルに達したと言われている。
    出典:GIZMODO
  • 冴羽獠役を務めた鈴木亮平は、役作りのためにマニュアル免許を取得し、ファンから贈られた冴羽獠モデルのモデルガンで銃さばきの練習を行った。
    出典:with digital
  • 作中には、原作でお馴染みの「海坊主」が一度だけ登場するほか、香の防弾ベストには“冴羽商事”のタグがつけられているなど、ファンには嬉しい小ネタが散りばめられている。
    出典:映画.com

For you or Not? 俳優さんの安心感😌

「鈴木亮平が出てるなら大丈夫」という安心感を抱く人には、まさにドンピシャの配役。

ガンアクションというより”ガンテクニック”と言える華麗な動きも、本人の努力あってこそ。”冴羽獠=鈴木亮平”とイメージが固まってしまうほどのハマり役で、今後シリーズ化されても不安なし。

むしろシリーズ化されて欲しいと思えるくらいの完成度。

私の周りには「コメディ作品は苦手🙅‍♂️ 」って人も多いけど、話を聞いてみると大抵は”洋画のコメディ”。

文化や笑いのセンスが違うからそういう人の気持ちもわかる気がする。でも『シティーハンター』は”コメディ”ではない。

ジャンルとしてはコメディ要素があるかもしれないけど、冴羽獠のあの軽口を叩く感じ、下ネタを言っちゃう感じ、でも実は照れ屋で素直になれない姿──

それは彼の孤独の裏返しでもある。

そして鈴木亮平さんは、それを体現している。まさに”理想の実写化”ではないかと思ってます😌

First Impression ユーモアとシリアス💃

私は原作を知りません。アニメ作品も観てません。そんな私にとっての”リョウちゃん”初体験。

ユーモアとシリアスのバランスが絶妙で最後まで楽しめました。途中はウルっとするシーンも🥺

冴羽獠を演じる鈴木亮平さんのおかげか、下ネタも謎の爽やかさがあり、あの鍛えられた肉体もアクションにリアリティをもたらしている。

ガンアクション、というよりもガンテクニックと言った方が近いかもしれないが、あのテクニックをあれだけ違和感なくこなせるのも鈴木亮平さんの並々ならぬ努力の賜物か。

初めての”リョウちゃん”体験は、笑って、ちょっと泣いて、気づけば冴羽獠というキャラがすっかり好きになっていました。

Highlights 愛のある実写化🫶

「もっこり♡」連発、パンツ一丁──それでも不思議と下品に感じない。

なぜあれでかっこよく見えるんだ?🤷‍♂️

やはり、作品がちゃんと”愛”で作られているからかもしれない。

30年来の『シティーハンター』ファンである鈴木亮平さんは、自分のイメージと制作側のイメージの違いを感じる場面もあったそう。

それでも制作陣と密に意見を交わしながら、「もっとこうした方が」「もっとああした方が」と、誠実に作品と向き合ってきたという。

そしてその”愛”は、出演者だけでなく制作側からもひしひしと伝わってくる。

インタビューなどをわざわざ見なければ気づけないようなことかもしれないが、確かにそれは画面に滲み出ていた。

物語の舞台は新宿。しかし当然、すべてのシーンが新宿で撮影されたわけではなく、多くはセットやCG、VFXによって構築された。

それでも観ている私たちがほとんど違和感を覚えないのは、そうした部分にも妥協せず愛を注いだスタッフたちの努力の賜物だろう。

ちなみにフランス版『史上最香のミッション』も良かったけれど、やっぱり──

日本の漫画を、日本の俳優で、日本の“新宿”で描いてくれるこの実写版が、しっくりきます🇯🇵

Let’s Be Honest 想像以上の…😅

私は原作を知らないので余計にそう感じたのかもしれませんが、ストーリーは思った以上にファンタジー?SF?っぽさを感じました。

原作の初期はハードボイルド寄りで、下ネタやコメディ的な要素は中盤から──という話をどこかで見かけたことがあります。

本作ではその初期設定をベースにしつつも、あえて中盤以降の軽妙な要素を混ぜているとのこと。一般的に知られている『シティーハンター』像に寄せた判断だったそうです。

そう考えると、この映画作品も原作からはある程度アレンジされているのかも?🤔

もちろん、ファンタジー要素が悪いというわけではありません。ただ、なぜか“日本”が舞台になると、ああいう設定が少し浮いて見えてしまう。どこかで「あり得ない」と思ってしまっている自分がいるのかも…。

個人的には、もう少しリアリティラインが高ければ、さらに没入できたかもしれません。

Takeaway ユーモアを世界へ🌍

『シティーハンター』に欠かせない要素──それが”モッコリ”。

英語圏では訳せないし、世界配信するNetflix作品としては、正直リスキーな表現だったはず。

それでも、あえてこの言葉を残したことに、作品への本気度がにじんでいる。

主演の鈴木亮平さんはインタビューでこう語っている。

「”モッコリ”は世界に通じなくても、冴羽獠という男を語る上で、どうしても外せない言葉だった」と。

ただのギャグじゃない。軽口に見えて、その裏にある”照れ”や”孤独”。

それを演じきる鈴木亮平さんの真摯な姿勢が、作品全体にリアリティと温かさをもたらしていた。

笑っていい。──でも、ちゃんと伝えたいこともある。

そんな”実写化の理想形”を見せてくれたと思う。

日本の”ユーモア”を世界に届けるという意味でも、この作品はとてもチャレンジングだった。

Final Note📝

『シティハンター』
遊び心満載、──でも芯はちゃんと熱い。

Trailer 公式予告💻

出典:Netflix Japan公式YouTubeチャンネル

Subscription 配信📺

Netflix

※ 配信情報(2025年8月時点)配信状況は変更される可能性があります。

年間300本ほど映画を観ています。 備忘録として、観たときの気持ちを飾らず素直に残しています。